分別収集・集団回収に出され、所有者の明確な古紙の「持ち去り」法にふれる行為です!リサイクルを支える地域の協力・信頼関係に対する破壊行為を根絶しましょう!
日頃は古紙のリサイクルにご協力いただきありがとうございます。
近頃、分別収集や集団回収に出された古紙が、契約外の業者に無断で持ち去られる「持ち去り」行為が相次いでいます。
分別収集や集団回収は、市民・行政・契約資源化業者の「顔の見える」関係によって支えられています。売却を予定して決まった時間・場所に出された資源物を持ち去る行為は占有権の侵害であり、関係者の協力関係ひいては地域社会への信頼感にひびを入れる悪質な行為です。
私達古紙問屋業界も「持ち去り」行為の根絶に全力を上げ、自治体に対策の強化を訴えて参ります。安全で安心して暮らせる地域社会を守るため、市民の皆様にも「持ち去り」行為の根絶に立ち上がっていただきたく、地元自治体への要請を切にお願いする次第です。
「持ち去り」行為はどうして問題なのでしょうか?
- 市民の皆様にとって
皆様はごみ問題の解決を願って分別収集に協力されていることと思います。どこの誰がどこに資源を持っていくのか判らない「顔の見えない」リサイクルは信頼に値する仕組みでしょうか? - 自治体にとって
分別収集に出された古紙の売却金は自治体の収入となります。「持ち去り」は自治体収入の横取りを意味し、市民と資源化業者の間に立ちシステムを運営する行政の信用を傷つけます。 - 自治体に協力している資源化業者にとって
自治体の分別収集に協力している業者は、取引が成立した以上、価格の変動に関係なく古紙を引取ります。価格が高い時だけ他者が占有する古紙を持ち去る「持ち去り」は、古紙リサイクルを安定的に支える努力をしている資源化業者の経営をおびやかす横取り行為です。
「持ち去り」行為の違法性が明らかになり、警察による書類送検者も出ました
これまで「持ち去り」行為がまかり通ってきたのは、「資源物」としての古紙に対する自治体の占有権が法的に明確にされなかったためです。
しかしここ一年清掃・リサイクルに関わる条例を改正し「(ステーションに排出された)資源物は自治体の占有物である」ことを明らかにする自治体がでてきました。またステーションで資源物の占有権を守るため具体的取り組みを実施する自治体も広がりをみせています。
これらの取り組みの結果、取締りへの警察の協力も可能になり、平成15年9月には自治体からの被害届により古新聞の「持ち去り」行為を行った業者が警察に書類送検されました。
条例改正により分別収集古紙に対する占有権を明確化している自治体には、東京都杉並区、大田区、江東区、埼玉県志木市、栃木県小山市等があり、次第に増加傾向にあります。また東京都世田谷区では分別収集古紙は区が指定する者以外は収集・運搬してはならないことを条例で定めました。
古紙リサイクルの正しい発展に向けてあなたも声を挙げてください!
平成22年の日本の古紙回収率は78.3%(古紙再生促進センター統計)です。これは先進国の中でも極めて高い水準です。近年では日本の古紙の品質が評価されアジア諸国への輸出が伸びています。
日本の古紙リサイクルを支えてきたものは、古紙の高い品質であり、それを実現した集団回収や分別収集における市民・資源化業者・行政の協力・信頼関係です。三者の協力・信頼関係を壊す「持ち去り」は、古紙リサイクルシステムを根底から破壊する悪質な行為です。
市民の皆様も、違法な「持ち去り」の発生を防止するよう、地元の各自治体に対しご要請いただくよう切にお願いする次第です。
「持ち去り行為」根絶の決め手は、自治体による占有権明確化の意思表示です
「持ち去り」の最も効果的な防止策は、分別収集実施自治体が「排出された古紙は自治体の占有物であること」を条例等により主張し、同時にステーションで占有権を守ろうとする具体的な行為(シートの取付けやパトロールの実施等)をすることです。これにより「持ち去り」は自治体の占有権を犯す行為として、法的な取締りの対象とすることができます。
分別回収にご協力下さい
紙はリサイクル可能な工業製品です。雑多なゴミとして家庭から出してしまうと回収処理できず焼却等で処分する事になり、ごみの量が増え、限られたごみ処理能力を圧迫します。
むやみに廃棄せず、地域での集団回収など、できる限り再利用できる流れに古紙をのせていく事が、リサイクルの促進につながります。
回収の際には、分別にご注意下さい。「古紙の話」の章で触れた通り、古紙にはいくつかのグレードがあり用途も分かれています。一品物として内容が揃っていれば処理しやすいのですが、雑多な紙や製紙原料として使用できないものが混じっていると再生工程で選別できず、折角回収された古紙が再生できなくなってしまいます。
新聞は新聞、雑誌は雑誌というように分けて出すようにして下さい。また、下記のような再生に適さない「禁忌品」は取り除いてから出して下さい。
禁忌品(古紙に混入してはいけないもの)とは
★粘着物粘着テープ、シール、ワッペン類、ほか糊が多量に使われているもの→廃棄
★金属金具、金属クリップ類→廃棄
★フィルム・合成樹脂、フィルム類、セロハン、発泡スチロール、プラスチック製品→廃棄
★フィルムやアルミ箔などがラミネートされている紙、紙容器 →廃棄
★特殊な薬剤が塗布された紙 昇華転写紙、紙コップなどのワックス加工紙、油紙、写真の印画紙、 防水加工紙、ラベル等の剥離紙、ファックス用紙等の感熱紙、裏カーボン紙、ノーカーボン紙→廃棄 ※廃棄の区別、方法については各自治体へお問い合わせ下さい。
※牛乳パック等は、地域によっては各種団体により回収されています。
※感熱紙、裏カーボン紙、ノーカーボン紙は、オフィス等常時多量に出るところでは回収ルートがあります。
トイレットペーパーは再生紙製品を
○東京都推奨品「みどりの夢23」 ちり紙などの家庭紙製品のなかで、現在最も古紙の使用量が多いのはトイレットペーパー(以下TPと略)です。現在の出荷高の比率では、再生紙物が約65%であり、これに対しパルプ物が約35%で、これに使われる古紙は年間約57万トンにのぼります。これがもし全て古紙で作られるようになれば、約30万トンの新たな古紙需要が喚起されます。 再生できないTPは再生紙を使いましょう。 |
グリーンマーク製品を使いましょう(ノート、文具類)
(財)古紙再生促進センターが認定する「グリーンマーク」は、古紙を有効に活用して森林資源を守り、みどり豊かな暮らしを育むための環境製品マークです。紙製品を購入する際は、このグリーンマークを目印に古紙利用製品を選んで下さい。
★グリーンマークについて
http://www.prpc.or.jp/greenma-ku.htm
エコマーク製品を使いましょう
エコマークは89年からスターした環境ラベリング制度です。
環境ラベルとは、消費者の皆さんに「環境に優しい」商品を選択するための目安として作られたマークで、多数の商品が認定を受けています。
用紙・紙製品を購入する際は、エコマークを目印に古紙利用製品を選んで下さい。
★エコマークについて http://www.ecomark.jp/
なお2008年1月に発生した環境偽装等への対応について、エコマーク事務局では問題の再発防止を目的に以下のような改定を行っています。
用紙関連の認定基準については、古紙パルプ配合率の裏付けとなる資料(チェックリスト) の提出、古紙パルプ配合率の数値の表示義務を新たに設けるなど、現行基準Version 2の見直しを行い、2008年7月1日より認定審査を再開しました。
○用紙・紙製品の審査再開に伴う認定基準の改定について
○申込書式等の改定等について